第28回九州アルコール関連問題学会

2016年05月31日

平成28年3月11・12日に、北九州国際会議場にて、第28回九州アルコール関連問題学会・北九州大会を開催することが出来ました。

平成27年2月に門司港で福岡県精神科病院協会の移動理事会を行いました。その懇親会のフグ料理屋で、突然「来年の学会を引き受けてほしい」と依頼されて酒の勢いで受けてしまったのがことの始まりでした。

引き受けた時点で、学会まで13か月と準備期間も短かったのに、立派な会を催すことが出来ました。私も含め当院スタッフにとっても得難い体験で勉強になりました。北九州地区のアルコール依存症の治療スタッフの意識の高さと、高い実力を改めて認識しました。

北九州精神保健福祉センター、産業医大精神科、産業医大産業生態科学研究所 精神保健学、八幡厚生病院、新門司病院、門司メンタルクリニック(門司松ヶ江病院)、香西洋クリニック、平尾台病院、直方中村病院、一本松すずかけ病院など実行委員会に関わっていただいた皆様に感謝申し上げます。また広告協賛をいただいた、地域の医療機関・製薬メーカーにも心から御礼申し上げます。

松尾典夫

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熊本の地震

被災された方々にお見舞い申し上げます。また亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

4月14日と16日の2回にわたる震度7の地震では、北九州小倉も揺れました。最初に携帯が鳴り出して(16日は携帯にたたき起こされたような気がします)それから揺れが来ました。

昨年秋訪れた熊本城の様子をテレビや新聞で見て絶句してしまいますし、南阿蘇村の崩れ落ちた阿蘇大橋も昨年末に通ったのです。精神科病院も無傷というわけにはいかず、やむを得ず入院中の病院から他の病院に移った患者さんもおられるようです。しかし、熊本県の精神科病院で、地震のために亡くなった入院患者さんは一人もいないとのことです。

JR在来線も新幹線も復旧しましたが、地域全体の復旧にはまだまだ時間がかかりそうです。被災された方々が一日でも早く、元のように暮らせるようになることを祈っています。

松尾典夫

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応急入院指定病院

2015年12月24日

平成28年1月1日より、松尾病院は精神科応急入院指定病院となります。北九州市で二番目の指定です。応急入院というのは、緊急の医療保護入院というか、迅速に医療及び保護を行なう必要のある患者さんに、本人・家族の同意がはっきりしなくても、72時間に限って入院加療を行うことが出来る制度です。その間に、家族などの同意を得て治療を継続するという仕組みです。そういう患者さんが地域に現れたら、応急入院指定病院が24時間365日対応することとなります。大変ですが、これからも地域に役立つ病院でありたいと願っています。

ここ数年松尾病院としては、@精神科急性期の手厚い医療の実施(急性期治療病棟医師16:1配置加算取得)、A治療抵抗性統合失調症の患者さんへの新規薬物療法実施(CPMS認定医療機関取得)、Bアルコールリハビリテーションプログラムの充実(重度アルコール管理加算取得)などに取り組んできました。

また大きな変化として、当院と協力関係にあるNPO法人が、病院近くにグループホームを立ち上げました。現在はほぼ満室のようです。

地域には「松尾病院は認知症の患者さんを全く診ようとしない」という誤解があるように感じます。実際には、BPSD(認知症の周辺症状に伴う問題行動や精神病症状など)の出現した患者さんには、適当な病室があれば入院の上加療させていただいているのです。

これからも上質な精神科医療の提供に向けて精進してゆきたいと思っています。

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怖くて街を歩けない。脱法と、違法と、合法と

2014年07月07日

最近、『脱法ハーブ』による事件の報道が相次いでいます。もし自分がその時あそこを歩いていたらと、ぞっとすることも多いです。
『薬物乱用』は今や一つの公衆衛生的に重要なテーマになっています。北九州でも、小倉に3軒、黒崎に3軒の『脱法ハーブ』を取り扱っている店舗があると聞きます。原産国は、あの拝金主義で有名な、中華人民共和国だそうです。
この問題は、もう、水際作戦などと言っておられる場合でないように思います。これだけの何も関係のない人が、非業の死を遂げるわけですから。
そもそも『違法薬物』を制限する、という日本の法制度が現状にマッチしていないのです。『違法』と指定されなければ、何をしてもよいというのが現状です。それではイタチゴッコのように、『違法でないけど危ない』薬物が次々出てくるのです。
私が考えるに『合法薬物以外は販売禁止』としないと、犠牲者が増えるのを防げないような気がします。
確かに、『合法薬物』つまり、合法と指定された薬物がもし有害であった時に、合法と指定した行政機関の責任問題になるかもしれません。また、日本では医薬品も含めた新しい薬物が『合法』と指定されるまで、異様に時間がかかることが指摘されています。「責任をとる、矢面に立つ」ことができる役人が減ってしまったのでしょう。・・・これからも『役人天国』が続くということなんでしょう。一方で、新しい(有害とは認められない)医薬品も含めた化学物質を、役所が一々認可するとなれば、そこに役所としての利権が生まれるので、そのことは問題です。
しかし、脱法ハーブの被害者だけでなく、加害者もかわいそうだと思います。厳重な、薬物の管理指定、特に行政機関から正式に合法と認可されたものしか流通しないシステムができれば、最近のような傷ましい事故は圧倒的に少なくなる、そう思うのですが。
松尾典夫

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久里浜日記

2014年07月03日

現在、神奈川県の久里浜医療センターに、医師が対象のアルコール医療の研修に来ています。4日間の研修です。ここ10年以上、3日間以上病院を空けることができなかった私にとって、勇気のいる決断でしたが、受講したことのある医師の急な退職で、私が受講することにしました。
同研修の受講者のは、アルコール専門病棟の担当医になった、あるいはそういった病棟のある病院に移動になったので勉強しようという先生方、受講した医師が退職するので、上司から行って来いと言われた先生もおられました。行政のお医者さんもこられていました。病院の管理者は私だけだったようです。
アルコール依存症の疾患概念が少し変わりつつあるようです。重複障害といった考え方に、なるほどと思いました。何か障害があって、その苦痛を取り除こうとしてアルコールを使用しているという考え方です。それですべての説明がつくとは思えませんが。統合失調症の人については、私も20年くらい前「(結果的にはうまくいかないのだけど)医療を受ける前、アルコールによる自己治療をしている患者がいる」といった話を聞いたことがあったのですが。
ブリーフインターベンションと言って、これまでの『当事者に依存症であると認めさせる』という前提なく、回復のための断酒治療をしようという介入の話もありました。依存症になる前の人に対する節酒にも用いられ、なかでも肥前療養所のハッピープログラムが評価されていました。
また公衆衛生上の問題として、アルコールの問題が、色々な病気の中で最も社会に『経済的な』損失をもたらしているということでした。『病気による死亡』については煙草の方が多いのですが、アルコール依存症の人の職業的なマイナス面が損失をもたらしているということです。
アルコール依存症治療と、医療観察法(入院)医療に特化した久里浜医療センターでは、アルコール医療が好きな医師があちこちから集まって、プログラムも進化しているようです。
とてもまねはできませんが、松尾病院もアルコール医療を続けるからには、患者さんの断酒率を上げ、社会に貢献できるようにならないといけないと思いました。帰ったらフィードバックして使えるものは使って、良いアルコール医療チームを作らないと・・・
松尾典夫


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