SSRIの問題

2009年06月06日

最近の報道で、うつ病の治療薬であるSSRIをのむと、攻撃的になる(人がいる)という報道がなされました。



 昔からあるうつ病の治療薬は、ある程度の効き目があったのですが、患者さんにしたら『のみにくい副作用』があった、というのも事実です。それに対して、比較的最近開発されたSSRI(そのほかにもSNRIという薬もあります)は、『のみにくい副作用』は確かに少なくなりました。しかし、これまでの薬と別の副作用はあるのです。ところが、製薬メーカーがSSRIを販売するに当たって、『副作用が少ない』とプロモーション活動を行なって、その結果、精神科や心療内科以外でも、処方されるようになった。具体的に言えば『内科』や『外科』、『(うつ病をきちんと見ることの出来ない)心療内科』で大量に処方されるようになったのです。



 『うつ』の状況になる原因は、病気を含めて(病気以外にも)色々あります。『うつ状態』=うつ病ではありません。うつ病以外の人が、SSRIだけではなく、抗うつ剤をのむことはとても危険なことなのです。ただしSSRIは強迫神経症や、社会不安性障害には有効な場合もあります

 特に短期間で気分がコロコロ変わる、急にイラついたかと思うと落ち込むような人たちに、少し気が滅入るからといって、抗うつ薬、中でもSSRIをのませたら、良いことはありません。逆に、ますます気分の変動が激しくなる場合が多いのです。また『躁うつ病』という病気がありますが、最近は、躁病相のエピソードがある場合にはなるだけ抗うつ剤を処方しないのが一般的とされています。

 最近では『薬剤による躁状態』という新しい概念があるのです。攻撃的となっていると紹介を受け、他の医療機関で処方されたSSRIや抗不安薬をやめたら、すっかり治ってしまった患者さんがいます。・・・逆に、私も自分の患者さんを『薬剤による躁状態』にしていないかと心配になるのですが・・・

 

 最後に、『本当のうつ病』の場合には、『心のカゼ』などというのは大嘘で、大病なのです。『うつ病』では、『うつ状態』が少なくとも2週間以上続きます。『うつ病』は、きちんと休息をとって、しっかりとお薬を飲む必要があります。内科や心療内科で診察の時、ろくに話も聞かずにうつ病といわれてSSRIを処方されたら、是非うつ病の専門科である精神科にセカンドオピニオンとしての意見を求められることをお勧めします。



またしても話が長くなりました。



5月の病院実績もこれまでとほぼ同様で、新患は25名(全く初めての方はうち18名)、入院は21名、退院は20名でした。4月と同じで、もう少し退院する方を増やさないと、入院をお断りしたりお待たせしたりする状況が改善しません。



松尾典夫






病院 北九州市小倉南区の精神科・内科:松尾病院のホームページ
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