精神科を転々とする患者さん

2010年01月10日

 精神科では、多くのクリニックや精神科病院からあいそうをつかされて、医療機関を転々とするかわいそうな外来患者さんがいます。中には、患者さんの方からあいそうつかしをするように上手にしむける医師もいます。
 『治る可能性が高いのに自分には治せない患者を診療してはいけない』というのも、『緊急度の低い〜治療困難な患者に必要以上の時間をかけて、他の患者さんの診療をおろそかにしてはいけない』というのも精神科に限らない医師としての治療の原則です。
 入院中に精神科で医師にあいそうをつかされる患者というのは、他の患者さんの診療に悪い影響を及ぼす方、迷惑をかける方ということになります。
 病院・クリニックを問わずに、精神科の外来であいそうをつかされるの患者さんというのは、本当に治りたいという気持ちは感じられないのに必要以上に長い時間をかける面接を思わず要求してしまう、言い換えれば治療者に対して他の患者さんとは違う特別な治療関係を求めてしまう人々です。中には家族や周囲の人だけでなく、主治医その他の治療者を、振り回そう〜操作しようとまでする人もいます。
 こういう患者さんたちをどうして行くのか、社会的にも大きな問題です。大きな総合病院の救急部門でも、そういう方の対応に困っているようです。
 私もそういう方々の中で、本人の『本当に回復したいという気持ち』を感じたら、『何とかしたい』、『出来るだけ逃げないで向き合いたい』と思うのです。他の多くの先生がさじを投げるような方を、何とかしよう〜何とか出来るのではないかと思う私の気持ちが傲慢なのか、私自身が非力なのか、実際にはうまく行かないことの方が多いです。うまく行くのは、以前の医療機関で、@必要以上の薬を飲んでいて、その薬をやめて良くなった場合と、Aそういう患者さんだと思われていたけれども、実はそういう患者さんではなくて、薬による治療で、十分治療が可能であったという場合が殆んどです。
 さらに私は、病院の管理者をしているわけですから、そういった方以外の患者さんや、病院で勤務してくれている職員の生活や仕事、安全も守らなければいけません。幸い、松尾病院には、私にやれと言われれば、愚痴をこぼしながらも勤務を遂行してくれる職員もいます。上質な精神科医療を行っていくためには、私自身がもっとしっかりしなければと思っています。

松尾典夫




病院 北九州市小倉南区の精神科・内科:松尾病院のホームページ
院長 松尾典夫 | 福岡 ☁ | 院長ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
最近の記事
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。