大阪で、母親から養育拒否された幼い子供が二人、マンションの自室で餓死したというイタマシイ事件がありました。本当に言葉もないのですが、二人の子供のご冥福を祈らずにいられません。
この事件で母親を非難するのは簡単です。でも、戦後教育で、多様な価値観が生まれ、『母としてより、女としての自分を大切にする』という価値観が、若い女性の中に生まれてきているのは事実のようです。私自身、そんな考えをよしとすることはないのですが、現実なのです。餓死させないまでも、母親が『子供を育てることをしなかった』という結果の心の問題を抱えた人が、支援者と一緒に精神科病院を受診することが増えています。こういった人への対応はとても難しくて十分なことが出来ていない気がします。
『何故この結果を防げなかったのか』なんて深い議論をするつもりはありません。
でも周りの人が心配です。このマンションの同じ階に住む人たちは当然異変に気がついていて、警察や児童相談所に連絡していたということです。人は、災害や事故で周りの人が亡くなったのに自分が助かった時に、「何故自分だけが助かった」と、自分を責める気持ちになるものなのです。人は、周りの人が自殺したときにも、「自分が何かしていればこの人は自殺することはなかったのではないか」と、自分を責める気持ちが起こります。近隣の人たちは、『子供の泣き声を聞いても、直接にはどうすることも出来ず、関係機関に連絡する』という適切なことをされたのですから、どうかこの悲惨な結果から自分を責めないでください。
最後に、最近の若い人たちの価値観が代わっていることを踏まえ、『みんなが自分たちと同じ価値観を持っている』という幻想は捨てて、通報を受けたお役人は適切に対処して欲しいと思います。少子高齢化時代に生まれた子供は、国の宝なのです。親が何らかの理由で育てられないだけでなく育てようとしない場合も、親だけに任せず(親の世代は色々な価値観を持ってしまっているのです)に、社会(国)でそういう子供を育てることが出来るようにするべきなのかも知れません。・・・大昔、人類は、社会で子供を育てていたのです。
最近、本当にいろんな価値観が生まれています。『母としてより、女としての自分を大切にする』ことに私は反対ですが、そういう価値観が、絶対的に間違えていると言い切れない面があります。特にそういう気持ちでも、子育てがしっかり出来ていれば、間違いだと決め付けることは難しいように思います。
むしろ『自分はどうしても子供に愛情がもてない、育てようという気にならない』とか、『つい子供に手を上げてしまう』とか、そういうお母さんたちが気軽に相談できて、場合によってはお母さんから子供を預かる、そういう仕組みがよいとは思いませんが、現時点では緊急避難的に必要なのではないかと感じています。
松尾典夫
北九州市小倉南区の精神科・内科:松尾病院のホームページはこちら
『制度やお役人』が現状についていっていない
2010年07月31日
外来の変更のお知らせ
2010年07月29日
8月から新しい精神科の医師が赴任されるので、8月から火曜と木曜に外来を担当されます。
9月からは、外来の曜日が若干変更になり、一部予約制を導入します。詳しくは8月になって、ホームページを参照ください(現在のホームページは今後少し変更があります)
新患はすべて予約制となります
予約の空きがあれば、当日予約も可能です。
松尾の再来も予約制となります。
1〜2時間、長い日は2〜3時間、診察までお待たせしている現状を改善するのが目的です。
よろしくご理解、ご協力のほど、お願い申し上げます。
松尾典夫
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9月からは、外来の曜日が若干変更になり、一部予約制を導入します。詳しくは8月になって、ホームページを参照ください(現在のホームページは今後少し変更があります)
新患はすべて予約制となります
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1〜2時間、長い日は2〜3時間、診察までお待たせしている現状を改善するのが目的です。
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松尾典夫
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新しい医局の仲間
2010年07月19日
今年に入って、新しい医師が松尾病院に赴任されています。
今年の1月から、内科を専門とする若手医師に来ていただいています。現役バリバリの内科医で、入院患者の身体合併症に対応してもらってとても助かっています。精神科についても勉強しようという意欲も高い先生です。また、最近の医療経済も含めた精神科以外の医療の動向に詳しく、病院長である私自身にとって、とても刺激になっています。
今年の4月から一人医師が退職して、新たに大学から長期派遣の先生に来ていただきました。さらに8月から本当は児童精神医学が専門(もちろん他の精神科領域の診療も行います)の先生が赴任される予定です。
私より若い指定医が私も含め計6名となり、医局に活気が出て松尾病院の診療の質が上がって行くのではないかと期待しているところです。
松尾典夫
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今年の1月から、内科を専門とする若手医師に来ていただいています。現役バリバリの内科医で、入院患者の身体合併症に対応してもらってとても助かっています。精神科についても勉強しようという意欲も高い先生です。また、最近の医療経済も含めた精神科以外の医療の動向に詳しく、病院長である私自身にとって、とても刺激になっています。
今年の4月から一人医師が退職して、新たに大学から長期派遣の先生に来ていただきました。さらに8月から本当は児童精神医学が専門(もちろん他の精神科領域の診療も行います)の先生が赴任される予定です。
私より若い指定医が私も含め計6名となり、医局に活気が出て松尾病院の診療の質が上がって行くのではないかと期待しているところです。
松尾典夫
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薬剤師の先生募集
2010年07月08日
精神科病院への勤務に抵抗感のある薬剤師の先生が多いと聞いています。
向精神薬は難しいとか、患者さんが怖いとか、先入観が強いのではないでしょうか。
このブログで書き込んできたように、精神科、中でも統合失調症の患者さんたちは、実はとても優しい人たちなのです。
最近の精神科病院では、生活技能訓練、コミュニケーションのトレーニング、家族教育など、患者さん・家族とともに学び、いろんな職種とともにチームとして疾患に対処するなど、薬剤師としての専門性を発揮する場が多くなっています。
楽しく患者さん・その御家族と触れ合いながら、一緒に仕事をしませんか。松尾病院では、薬剤師の資格を持つ新しい仲間を歓迎します。
松尾典夫
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向精神薬は難しいとか、患者さんが怖いとか、先入観が強いのではないでしょうか。
このブログで書き込んできたように、精神科、中でも統合失調症の患者さんたちは、実はとても優しい人たちなのです。
最近の精神科病院では、生活技能訓練、コミュニケーションのトレーニング、家族教育など、患者さん・家族とともに学び、いろんな職種とともにチームとして疾患に対処するなど、薬剤師としての専門性を発揮する場が多くなっています。
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松尾典夫
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