怖くて街を歩けない。脱法と、違法と、合法と

2014年07月07日

最近、『脱法ハーブ』による事件の報道が相次いでいます。もし自分がその時あそこを歩いていたらと、ぞっとすることも多いです。
『薬物乱用』は今や一つの公衆衛生的に重要なテーマになっています。北九州でも、小倉に3軒、黒崎に3軒の『脱法ハーブ』を取り扱っている店舗があると聞きます。原産国は、あの拝金主義で有名な、中華人民共和国だそうです。
この問題は、もう、水際作戦などと言っておられる場合でないように思います。これだけの何も関係のない人が、非業の死を遂げるわけですから。
そもそも『違法薬物』を制限する、という日本の法制度が現状にマッチしていないのです。『違法』と指定されなければ、何をしてもよいというのが現状です。それではイタチゴッコのように、『違法でないけど危ない』薬物が次々出てくるのです。
私が考えるに『合法薬物以外は販売禁止』としないと、犠牲者が増えるのを防げないような気がします。
確かに、『合法薬物』つまり、合法と指定された薬物がもし有害であった時に、合法と指定した行政機関の責任問題になるかもしれません。また、日本では医薬品も含めた新しい薬物が『合法』と指定されるまで、異様に時間がかかることが指摘されています。「責任をとる、矢面に立つ」ことができる役人が減ってしまったのでしょう。・・・これからも『役人天国』が続くということなんでしょう。一方で、新しい(有害とは認められない)医薬品も含めた化学物質を、役所が一々認可するとなれば、そこに役所としての利権が生まれるので、そのことは問題です。
しかし、脱法ハーブの被害者だけでなく、加害者もかわいそうだと思います。厳重な、薬物の管理指定、特に行政機関から正式に合法と認可されたものしか流通しないシステムができれば、最近のような傷ましい事故は圧倒的に少なくなる、そう思うのですが。
松尾典夫




病院 北九州市小倉南区の精神科・内科:松尾病院のホームページ
院長 松尾典夫 | 福岡 ☔ | 院長ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

久里浜日記

2014年07月03日

現在、神奈川県の久里浜医療センターに、医師が対象のアルコール医療の研修に来ています。4日間の研修です。ここ10年以上、3日間以上病院を空けることができなかった私にとって、勇気のいる決断でしたが、受講したことのある医師の急な退職で、私が受講することにしました。
同研修の受講者のは、アルコール専門病棟の担当医になった、あるいはそういった病棟のある病院に移動になったので勉強しようという先生方、受講した医師が退職するので、上司から行って来いと言われた先生もおられました。行政のお医者さんもこられていました。病院の管理者は私だけだったようです。
アルコール依存症の疾患概念が少し変わりつつあるようです。重複障害といった考え方に、なるほどと思いました。何か障害があって、その苦痛を取り除こうとしてアルコールを使用しているという考え方です。それですべての説明がつくとは思えませんが。統合失調症の人については、私も20年くらい前「(結果的にはうまくいかないのだけど)医療を受ける前、アルコールによる自己治療をしている患者がいる」といった話を聞いたことがあったのですが。
ブリーフインターベンションと言って、これまでの『当事者に依存症であると認めさせる』という前提なく、回復のための断酒治療をしようという介入の話もありました。依存症になる前の人に対する節酒にも用いられ、なかでも肥前療養所のハッピープログラムが評価されていました。
また公衆衛生上の問題として、アルコールの問題が、色々な病気の中で最も社会に『経済的な』損失をもたらしているということでした。『病気による死亡』については煙草の方が多いのですが、アルコール依存症の人の職業的なマイナス面が損失をもたらしているということです。
アルコール依存症治療と、医療観察法(入院)医療に特化した久里浜医療センターでは、アルコール医療が好きな医師があちこちから集まって、プログラムも進化しているようです。
とてもまねはできませんが、松尾病院もアルコール医療を続けるからには、患者さんの断酒率を上げ、社会に貢献できるようにならないといけないと思いました。帰ったらフィードバックして使えるものは使って、良いアルコール医療チームを作らないと・・・
松尾典夫


病院 北九州市小倉南区の精神科・内科:松尾病院のホームページ
院長 松尾典夫 | 福岡 ☔ | 院長ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
最近の記事
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。